資金400万円・メニュー開発・営業許可・原価・初売上まで、開業0→1の全記録を密着で公開
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キッチンカーを始めるには?必要な許可と資金・6つの手順を徹底解説

開業の入口・適性(始めるには/やめとけ)更新:2026-06-16著者:エミリー
キッチンカーを始めたいけれど、何から手を付ければいいのか、許可は取れるのか、資金はいくら必要なのかが分からず動けない——そんな悩みを持つ方へ結論からお伝えします。キッチンカーを始めるには、大きく分けて「営業許可の取得」「車両の入手」「出店場所の確保」の3つを揃えることが必要です。そして、いきなり本業を辞めなくても、副業や週末出店という形で無理なくスタートできます。この記事では、開業までの6つの手順、資金の相場、収益モデル、失敗を避けるための撤退ラインまで、順を追って具体的に解説します。
画像(準備中):週末のマーケットに出店するキッチンカーと並ぶお客さん

キッチンカーを始めるには?最初に知っておきたい全体像と結論

キッチンカーを始めるには、最低限「車両」「営業許可」「出店場所」の3点が必要です。逆に言えば、この3つさえ筋道立てて準備すれば開業まで進めます。全体の流れは、コンセプト決定→情報収集→事業・資金計画→車両入手→保健所の検査と営業許可取得→開業、という6つの手順に整理できます。

営業許可については、食品を扱う移動販売は食品衛生法にもとづく営業許可が必要です。2021年6月の食品衛生法改正で営業許可制度が見直され、許可業種が再編されました。制度の根拠は厚生労働省の公式情報で確認できます。

キッチンカーとは?移動販売の基本と副業・週末出店という働き方

キッチンカーとは、調理設備を積んだ車両で食品を製造・販売する移動販売の形態です。固定店舗と違い、立地を変えながら営業できるのが最大の特徴で、オフィス街の平日ランチ、週末のイベント、住宅街の夕方など、需要のある場所に車ごと移動できます。

店舗を借りる飲食店と比べると初期費用と固定費を抑えやすく、本業を持ちながら副業として、あるいは週末だけ営業する週末出店という形で始める人もいます。まずは無理のない範囲で試し、手応えを見ながら本格化させる進め方が現実的です。

副業とは?本業と両立しながらキッチンカーを始める考え方

副業とは、本業とは別に収入を得るために行う仕事のことです。会社員が休日や勤務外の時間を使ってキッチンカーを営業するのも副業にあたります。副業で始める最大の利点は、本業の収入を維持したまま事業をテストできることです。失敗しても生活基盤を失わずに済むため、慎重に始めたい人に向いています。

ただし、勤務先の就業規則で副業が制限されている場合があるため、開始前に必ず確認してください。また、副業でも事業として継続するなら、税務署への開業届の提出や確定申告が必要になる点は本業の有無に関わらず同じです。

週末出店とは?平日は本業、週末だけ営業するスタイルの実際

週末出店とは、平日は本業に従事し、土日や祝日だけキッチンカーを営業するスタイルです。週末はイベントやマルシェ、商業施設の催事など人出の多い出店機会が集中するため、限られた営業日でも売上を狙いやすいのが特徴です。

一方で、週末出店は営業日が少ないぶん、車両費や保険料といった固定費を回収するのに時間がかかります。仕込みや片付け、出店場所探しにかかる時間も見込んだうえで、月にどれだけ稼働できるかを先に計算しておくことが大切です。

キッチンカーを始めるための6つの手順

キッチンカー開業は、思いつきで車を買うのではなく、順番に準備を進めることで失敗を減らせます。ここでは未来像の明確化から開業後の収益改善まで、6つの手順に分けて解説します。許可の取得や車両入手はこの流れの中盤以降に位置づけられます。

キッチンカー開業までの6つの手順
手順やることポイント
1未来像とコンセプト・ターゲットを決める誰に何を売るかを先に固める
2オンラインとオフラインで情報収集ネット情報と現場の両方を見る
3事業計画と資金計画を作成収支と必要資金を数字にする
4車両を入手して開業準備購入・リース・中古などを比較
5保健所の検査に合格し営業許可を取得設備基準を満たす必要がある
6開業して収益改善に努める売上データを見て改善する

手順1:叶えたい未来像とコンセプト・ターゲットを決める

最初に決めるべきは「誰に、何を、どこで売るか」というコンセプトとターゲットです。ここが曖昧なまま車両を買うと、後からメニューや出店場所が定まらず迷走します。たとえば「オフィス街で働く30代に、500〜700円台で手早く食べられるランチを売る」のように、対象・価格帯・シーンを具体的に言葉にしてください。

未来像とは、月にいくら稼ぎたいか、副業のままか専業を目指すか、といったゴールのことです。週末出店で月の副収入を目標にするのか、将来は複数台展開するのかで、選ぶ車両や資金計画が変わります。

手順2:オンラインとオフラインで情報収集する

情報収集はネットだけで完結させず、実際の現場を見ることが重要です。オンラインでは制度や費用の相場を調べ、オフラインでは実際に営業しているキッチンカーに足を運び、行列のできる時間帯やメニュー、価格を観察してください。

営業許可の基準は自治体ごとに細部が異なるため、出店予定地域を管轄する保健所の公式情報を確認するのが確実です。許可制度の全国的な枠組みは前述の厚生労働省の情報が起点になります。

手順3:事業計画と資金計画を作成する

事業計画では、想定客数×客単価で売上を見積もり、原価・出店料・燃料費・保険料などの経費を差し引いて利益を試算します。資金計画では、開業時に必要な初期費用と、開業後数か月の運転資金を分けて用意することが失敗を防ぐ鍵です。

自己資金だけで足りない場合は、日本政策金融公庫の創業融資などの選択肢があります。制度の詳細は公式情報で確認してください。

手順4:車両を入手して開業準備を進める

車両は、新車・中古車を購入する方法のほか、リースやレンタルで用意する方法があります。販売メニューに合わせて調理設備を載せる必要があり、揚げ物中心か、クレープなどの軽食かで必要な火力や水道容量が変わります。営業許可の設備基準を満たす仕様にすることが前提です。

車両の入手方法ごとの比較はこの記事の後半で表にまとめています。まずは予算と稼働頻度から、自分に合った入手方法の見当をつけてください。

手順5:保健所の検査に合格し営業許可を取得する

車両が完成したら、出店地域を管轄する保健所に営業許可を申請します。事前相談→申請書類提出→車両の現地検査→許可証交付という流れが一般的です。検査では、給排水タンクの容量、手洗い設備、シンクの数などが基準を満たしているかを確認されます。営業許可には食品衛生責任者の設置も必要です。

営業許可の対象や手続きは食品衛生法にもとづきます。法律上、許可が必要な営業や届出制の整理は厚生労働省の公式ページで確認できます(前述の厚生労働省情報)。

手順6:開業して収益改善に努める

開業はゴールではなくスタートです。日々の売上・客数・天候・メニュー別の出数を記録し、どの出店場所が稼げるか、どのメニューが売れるかをデータで判断して改善します。最初の数か月は赤字でも、出店場所とメニューの組み合わせを最適化することで黒字化を目指します。

キッチンカーを始めるには絶対に必要な物3選

準備すべきものは多岐にわたりますが、これがなければ営業できないという必須要素は3つに絞れます。それが「車両」「営業許可」「出店場所」です。どれか一つでも欠けると営業が成り立たないため、最優先で確保してください。

キッチンカーを始めるために絶対必要な3つ
必要な物役割欠けるとどうなる
キッチンカー(車両)調理・販売を行う拠点そもそも営業できない
飲食業の営業許可合法に食品を売る前提無許可営業は違法
人出の多い出店場所売上を生む場所売れずに固定費だけ出ていく

必要な物1:キッチンカー(車両)

車両は単なる移動手段ではなく、調理場そのものです。営業許可の基準を満たす給排水設備や手洗い場を備えている必要があり、設備が基準に届かないと検査に通りません。販売メニューを先に決めてから、必要な設備に合う車両を選ぶ順番が失敗を防ぎます。

必要な物2:営業予定地域での飲食業の営業許可

営業許可は、出店する地域を管轄する保健所から取得します。広域で営業する場合、自治体によって許可の取り扱いが異なるため、出店予定の各保健所に確認が必要です。許可がない状態で食品を販売することは食品衛生法違反にあたります。

必要な物3:人出が多い出店場所

どんなに良い車両とメニューを揃えても、人がいない場所では売れません。オフィス街の昼、商業施設の催事、イベント会場など、ターゲットが集まる場所を確保することが売上を左右します。出店場所の探し方と相場は後半の見出しで詳しく扱います。

メニュー・商品開発の決め方(原価率・看板商品・季節性・価格設定)

メニュー作りで意識したいのは、原価率・看板商品・季節性・価格設定の4点です。飲食業では原価率(売価に対する材料費の割合)を30%前後に抑えるのが一つの目安とされる考え方が広く使われています。たとえば売価600円なら材料費を180円程度に収めると、出店料や人件費を払っても利益を残しやすくなります。

看板商品は「これを食べに来た」と言われる一品を一つに絞り、調理工程を単純化して提供スピードを上げます。キッチンカーは行列の回転が売上に直結するため、メニューを増やしすぎないことが重要です。季節性も収益を左右し、夏はかき氷や冷たい飲料、冬は温かいスープ系というように、気温に合わせた商品を用意すると閑散期の落ち込みを和らげられます。

メニュー設計で押さえる4つの観点
観点考え方具体例
原価率売価に対する材料費を管理売価600円なら原価180円前後を目安
看板商品主力を1品に絞るクレープ専門・からあげ専門など
季節性気温に合わせて調整夏は冷たい、冬は温かい商品
価格設定原価+経費+利益で逆算ワンコイン台で回転を狙う等

営業許可とは?保健所の許可基準の地域差と申請の流れ・必要書類

営業許可とは、食品を安全に提供できる設備や体制が整っているかを行政が確認し、営業を認める制度です。キッチンカーは「自動車営業」として保健所の許可を受けます。基準の細部、たとえば給水タンクの容量区分や調理できるメニューの範囲は自治体ごとに差があり、同じ仕様の車でもA市では許可されB市では追加対応が必要、ということが起こります。

申請の一般的な流れは、保健所への事前相談→必要書類の提出→車両の現地検査→許可証交付です。必要書類には営業許可申請書、車両の図面や設備の配置が分かる資料、食品衛生責任者の資格を証明するものなどが含まれます。詳細は出店地域の保健所で確認してください。制度の全国的な枠組みは前述の厚生労働省の情報が根拠になります。

食品衛生責任者の取得方法と必要な資格の手続き

営業許可を取るには、施設ごとに食品衛生責任者を1名置く必要があります。食品衛生責任者は、調理師や栄養士などの資格を持つ人がなれるほか、資格がなくても各都道府県の食品衛生協会などが実施する養成講習会を受講すれば資格を得られます。

講習は1日程度で修了でき、受講後に修了証が交付されます。受講の申し込み方法や日程は地域の食品衛生協会で確認できます。たとえば東京都の場合の制度概要は公式情報で確認できます。

仕込み場所の確保と法的要件(自宅利用の可否・シェアキッチンの活用)

キッチンカー内でできる調理には制限があり、下ごしらえ(仕込み)は許可を受けた別の調理施設で行うよう求められる場合があります。この仕込み場所も保健所の基準を満たす必要があり、一般的な家庭のキッチンをそのまま使うことは認められないことが多いため、自宅利用の可否は事前に保健所へ確認が必須です。

自前で仕込み場所を用意するのが難しい場合は、営業許可を取得済みのシェアキッチン(時間貸しの調理施設)を借りる方法があります。初期投資を抑えながら基準を満たした場所を確保できるため、副業や週末出店で始める人にも現実的な選択肢です。

車両の入手方法を比較:購入・リース・レンタル・中古の判断基準

車両の入手方法は主に4つあり、初期費用・月々の負担・自由度が異なります。長く専業でやるなら購入、まず試したいならレンタル、初期費用を抑えつつ継続するならリースや中古、というように、稼働頻度と予算で選びます。

車両の入手方法の比較
方法初期費用向いている人
新車購入高い長く専業でやる・仕様にこだわる人
中古購入新車より安い費用を抑えて自分のものにしたい人
リース低め(月額負担)初期費用を抑えて継続したい人
レンタル最も低いまず週末だけ試したい人

いずれの場合も、営業許可の設備基準を満たしているか、メニューに必要な火力や給排水容量に対応できるかを必ず確認してください。安く手に入れても基準を満たさず改造費がかさめば、結局割高になります。

電気・ガス・水道など車両設備の仕様と容量の選び方

設備選びはメニューから逆算します。電気は冷蔵庫・照明・調理機器の消費電力を合計し、発電機やバッテリーの容量を決めます。ガスはカセットコンロかLPガスかで火力と扱いやすさが変わり、揚げ物中心なら安定した火力が必要です。

水道は給水タンクと排水タンクの容量が営業許可の基準に直結します。自治体によって必要な容量の区分が異なるため、扱うメニューと想定提供数に合わせ、保健所の基準を満たす容量を選んでください。容量が足りないと検査に通りません。

キッチンカー開業資金のリアルな相場(車両取得費・改造費・設備備品)

開業資金は「車両取得費+改造費+設備・備品+当面の運転資金」で構成されます。入手方法によって幅が大きく、レンタルや中古を活用すれば初期費用を圧縮できます。具体的な金額は車種・改造内容・地域で変動するため、複数の業者から見積もりを取り、自分の条件での確かな金額を確認してください。

資金が不足する場合は、日本政策金融公庫の創業融資などで補う方法があります(前述の日本政策金融公庫の情報)。融資を受ける際は、事業計画書で返済の見通しを示す必要があります。

毎月かかる運転資金(ランニングコスト)の目安

開業後も毎月の固定費・変動費が発生します。主なものは、食材の仕入れ、燃料費、出店料、車両のリース料やローン返済、各種保険料、仕込み場所の利用料です。売上がゼロの月でも出ていく固定費を把握し、最低でも数か月分の運転資金を手元に残しておくことが、早期撤退を避ける備えになります。

毎月かかる主なランニングコストの内訳
費目区分補足
食材仕入れ変動費売上に比例して増減
燃料費変動費移動距離と発電機の使用量で変動
出店料変動費場所により定額または売上歩合
リース料・ローン固定費入手方法で発生有無が変わる
保険料固定費自動車・PL・賠償責任など
仕込み場所利用料固定費シェアキッチン利用時など

開業に使える補助金・助成金・融資制度

開業資金を補う公的制度には、融資と補助金・助成金があります。融資は返済が必要ですが調達額が大きく、補助金・助成金は原則返済不要な一方、公募期間や要件が限られます。代表的な融資制度として、日本政策金融公庫の創業向け融資があります(前述の日本政策金融公庫の情報)。

中小企業・小規模事業者向けの補助金は、国の補助金情報サイトで最新の公募を確認できます。要件や締切は時期で変わるため、申請前に必ず最新情報を確認してください。

キッチンカーは儲かる?収益モデルと年収の目安

キッチンカーの収益は「客単価×客数−経費」で決まります。儲かるかどうかは、人出の多い出店場所を確保できるか、原価率を管理できるか、回転を上げられるかにかかっています。収益の作り方には、平日ランチで安定を狙うモデルと、週末イベントで一気に稼ぐモデルの2つの方向があり、両者を組み合わせる人もいます。具体的な年収は出店日数・地域・メニューで大きく変わるため、自分の事業計画の数字で試算してください。

平日ランチで安定収益を作るモデル

平日ランチモデルは、オフィス街や工場周辺など、毎日一定の人が集まる場所に固定的に出店し、薄利でも回転で稼ぐ方法です。同じ場所に通うことで常連客がつき、売上が読みやすくなるのが利点です。提供スピードを上げ、限られた昼の時間にどれだけさばけるかが勝負になります。副業や週末出店から始めた人が、本格化する際に狙う形でもあります。

週末イベントで大きな売上を作るモデル

週末イベントモデルは、フェスやマルシェ、商業施設の催事など人出が集中する場で、1日に大きな売上を狙う方法です。出店料が高めだったり売上歩合だったりするため、客単価をやや高く設定し、看板商品で勝負します。週末出店で始める人と相性がよい一方、天候やイベントの集客に売上が左右されるため、出店先の選定が重要です。

出店場所の探し方と契約・出店料の相場、マッチングサービスの活用

出店場所は、自分で営業して開拓する方法と、キッチンカーと出店場所をつなぐマッチングサービスを使う方法があります。マッチングサービスは、オフィスビル前のスペースやイベント枠を探す手間を減らせるため、人脈のない開業初期に有効です。

出店料の形態は、定額制、売上に応じた歩合制、その併用などがあり、場所や主催者で大きく異なります。契約前に、出店料の計算方法・キャンセル時の扱い・必要な許可や保険の有無を必ず書面で確認してください。

開業後の集客・リピーター獲得・SNSやアプリを使った販促

キッチンカーは出店場所が変わるため、「今日はどこにいるか」を知らせる発信が集客の生命線です。SNSで当日の出店場所と営業時間を毎回発信し、看板商品の写真で来店動機を作ります。位置情報を共有できるアプリやマッチングサービスの出店スケジュール機能も活用できます。

リピーター獲得には、スタンプカードや次回使えるクーポンなど再来店のきっかけが有効です。固定出店日を決めて「毎週この曜日はここにいる」と覚えてもらうことも、常連づくりに直結します。

必要な保険(自動車保険・PL保険・賠償責任保険)と加入の重要性

キッチンカーは移動と飲食提供の両方のリスクを抱えるため、保険の備えが欠かせません。最低限考えたいのは、車両事故に備える自動車保険、提供した食品が原因で健康被害が出た場合に備えるPL保険(生産物賠償責任保険)、営業中に客や第三者にケガ・損害を与えた場合に備える賠償責任保険です。

キッチンカーで検討したい主な保険
保険の種類備えるリスク
自動車保険移動中・運転中の事故
PL保険(生産物賠償責任)食品が原因の健康被害
賠償責任保険営業中の対人・対物の損害
エミリー
エミリー
クレープのキッチンカーで開業準備を進めている当事者。資金・許可・出店・原価の「本当のところ」を、現場でつまずきながら記録している。
キッチンカー開業準備中 / 食品衛生責任者 / 資金内訳400万円を実例公開