じゃがバター屋台の原価と利益率|儲かる値付けを徹底解説
- じゃがバター1個の材料・資材原価はおおむね40〜70円が目安。
- 販売価格200〜300円なら原価率は約20〜30%に収まる。
- じゃがいも本体より、バター・容器・ガス代の積み上げで採算が崩れやすい。
- 損益分岐点は固定費(ガス・出店料など)を粗利で割った販売数で決まる。
- トッピングは原価が安く利益率を大きく押し上げる。
じゃがバター屋台の原価はいくら?結論と目安

じゃがバター1個の原価は、じゃがいも・バター・塩・容器までを合計して40〜70円程度に収まります。
ここで言う原価は、材料費と使い捨て資材だけを指しています。ガス代や出店料といった固定費は別枠。混同すると計算が狂います。
卸売市場ではじゃがいも10kgが1,500円前後で取引されていて、仕入れ経由で2,500円ほどになるケースがあります。この価格帯を基準に組み立てました。
じゃがバター1個あたりの原価の目安
1個平均150gのじゃがいもなら、10kg箱に約67個入る計算です。10kgを2,500円で仕入れた場合、じゃがいも1個は約37円。
これにバター約10円、塩ほか調味料が数円、容器・割り箸が10〜20円ほど乗ります。合計すると1個60円前後が現実的なラインです。
適正な販売価格の考え方
目標原価率を30%に置くなら、原価60円のじゃがバターは200円で売れば原価率30%になります。
祭りの屋台は300円で並ぶことも多く、その場合の原価率は20%まで下がります。私なら見た目のボリュームを出して300円で勝負したいところ。ただし高すぎると数が出ないので、周りの屋台の相場は必ず下見します。
じゃがバターの原価率・利益率とは?基本を理解する
原価率は「売価に占める原価の割合」、利益率は「売価に占める利益の割合」で、この2つは表裏の関係です。
言葉の意味を押さえないまま値付けすると、「安く売ってるのに手元にお金が残らない」という事態になります。ここは飛ばさないでください。
原価率とは(意味と計算方法)
原価率とは、売価に対して原価が何割かを示す数字です。計算式は「原価 ÷ 売価 × 100」。
原価60円のじゃがバターを200円で売れば、60 ÷ 200 × 100 で原価率30%。この30%が飲食の目安ラインとしてよく使われます。
利益率とは(原価率との違い)
利益率は、売価から原価を引いた粗利が売価の何割かを示す数字です。原価率30%なら、単純計算で粗利率は70%になります。
ただしこの70%は「材料原価を引いただけ」の粗利。ここからガス代や出店料を払うので、手元に残る本当の利益はもっと小さくなります。ここを勘違いすると危ない。
屋台の目標原価率30%前後の理由
原価率を30%前後に抑える理由は、残りの70%で人件費・光熱費・出店料・利益をまかなう必要があるからです。
原価率が50%を超えると、少し売れ残っただけで赤字に転落します。逆に20%を切ると割高感が出て客足が鈍る。30%はそのバランス点だと私は考えています。
じゃがバターの原価の内訳を材料別に分解する
じゃがバターの原価は、じゃがいも本体・バター・塩・使い捨て資材の4つに分解できます。
じゃがいもだけで語られがちですが、実際に積み上げると資材の比率が思ったより大きい。ここを見える化しておきます。
じゃがいもの仕入れ価格と1個あたりの単価
卸売市場ではじゃがいも10kgが1,500円前後で取引され、仕入れ経由だと2,500円ほどになる例があります。10kg箱には150g換算で約67個入ります。
2,500円 ÷ 67個で、じゃがいも1個は約37円。40kg(約268個)を1万円で仕入れる想定なら、1個あたりの単価はほぼ同じ水準です。
| 項目 | 1個あたりの目安 | 備考 |
|---|---|---|
| じゃがいも(150g) | 約37円 | 10kg2,500円÷67個 |
| バター | 約10円 | 1個あたり少量使用 |
| 塩・調味料 | 約3円 | ひとつまみ程度 |
| 容器・割り箸等 | 10〜20円 | 資材の項で詳述 |
| 合計 | 約60〜70円 | じゃがいも丸1個で提供の場合 |
バター・マーガリン・塩の単価と使用量
じゃがバターの「バター」は、本物のバターかマーガリンかで原価が大きく変わります。マーガリンなら1個あたり数円まで下げられます。
正直に言うと、屋台でコストを削ると「じゃがマーガリン」になりがち。看板にバターと書くなら、そこは本物を使うべきだと私は思っています。1個10円のバター代をケチって信用を失うのは割に合わない。
塩は1個ひとつまみで数円以下。ここは原価にほとんど影響しません。
容器・割り箸・アルミホイル・紙皿などの資材コスト
資材は1個あたり10〜20円かかり、材料原価に匹敵する重さを持ちます。ここを忘れると原価計算が丸ごとズレます。
丸ごと焼くならアルミホイルと紙ナプキン、輪切りで盛るなら紙皿や紙容器と割り箸が要ります。バガス容器のような環境配慮タイプは単価が上がるので、コストと見栄えのどちらを取るかの判断になります。
仕入れ先で原価はどう変わる?価格を比較する
![【日本の屋台】じゃがバター [お祭り]](https://i.ytimg.com/vi/nxSEJe9FXFg/mqdefault.jpg)
じゃがいもの原価は仕入れ先で大きく変わり、卸売市場や農家直送が最も安く、スーパー小売が最も高くなります。
確実に言えるのは卸売市場の10kg1,500円前後という相場だけ。他は店舗や地域で幅があるため、断定できる数字だけを扱い、傾向として比較します。
卸売市場・スーパー・農家直送・業務スーパーの比較
| 仕入れ先 | 価格の傾向 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 卸売市場 | 10kg1,500円前後で取引 | 大量に安く仕入れやすい | 小口購入や個人参加に制限あり |
| 農家直送 | 安く抑えやすい | 規格外を安く入手できることも | 数量と納期が天候依存 |
| 業務スーパー | 中程度 | 少量から購入しやすい | サイズがそろわないことがある |
| 一般スーパー | 割高になりやすい | 急な買い足しに便利 | 大量仕入れには不向き |
じゃがいものサイズと1個あたりのコスト
市場で流通量が最も多いのはLサイズで、規格は120〜190gです。じゃがバターには小さいものより大きめが向きます。
1個150g換算だと10kgで約67個。もし平均が190gに寄れば個数は減り、1個あたりの単価は上がります。大きいほど食べ応えは出ますが、その分1個の原価も上がるトレードオフです。
天候や季節による相場変動のリスク
じゃがいもは天候で相場が動くため、出店直前に価格が跳ね上がるリスクを織り込む必要があります。
不作の年は市場価格が上がり、原価率の前提が崩れます。私は「仕入れ値が想定より2〜3割上がっても赤字にならないか」を必ず一度計算してから値付けを決めるようにしています。
見落としがちなコストと光熱費・設備費
じゃがバター屋台で採算を崩す最大の原因は、材料原価ではなくガス代・出店料・保健所関連といった固定費の見落としです。
1個あたりの原価が安くても、これらを回収できる販売数に届かなければ赤字になります。ここが競合記事で一番薄い部分なので、厚めに書きます。
プロパンガス・レンタル機器・電気代
じゃがいもを蒸す・焼く工程はプロパンガス(LPG)や機器の稼働が前提で、これが固定費として毎回のしかかります。
具体的な金額はガス使用量・レンタル料・電気の契約で変わるため、断定できる一律の数字はありません。だからこそ「1日いくらかかるか」を出店前に自分の条件で見積もり、販売数で割って1個あたりに上乗せしておくのが安全です。
衛生管理・保健所許可・出店料
屋台営業には食品を扱う許可や衛生管理が関わり、出店料も別途かかります。金額は自治体やイベントで異なります。
私は食品衛生責任者の資格を取って準備を進めていますが、許可の要件や手数料は必ず管轄の保健所で確認が必要です。ここは「たぶん大丈夫」で進めると当日出店できないことがあるので、事前確認一択です。
廃棄ロス・売れ残りを織り込んだ原価計算
廃棄ロスを見込むと、実際の1個あたり原価は表示より高くなります。売れ残りの分も仕入れ代を払っているからです。
例えば268個仕込んで40個売れ残れば、その40個分の原価は回収できず、売れた228個で全額を負担することになります。じゃがいもは日持ちする方ですが、焼いた後は別。仕込みすぎは危険です。
じゃがバター屋台は儲かる?損益分岐点をシミュレーション
じゃがバター屋台は原価率が低く粗利が大きいため、固定費を回収できる販売数を超えれば十分に儲かります。
ここでは丸ごと1個を200円で売る前提で、実際に数字を並べてみます。競合の回答にあった「268個・200円で5万3,600円」という試算を出発点に、固定費まで踏み込みます。
1個あたりの原価・粗利・売上の試算
原価60円のじゃがバターを200円で売ると、1個あたりの粗利は140円です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売価 | 200円 |
| 材料・資材原価 | 約60円 |
| 1個あたり粗利 | 約140円 |
| 原価率 | 30% |
| 268個完売時の売上 | 53,600円 |
| 268個完売時の粗利 | 約37,520円 |
損益分岐点となる販売数
損益分岐点は「1日の固定費 ÷ 1個あたりの粗利」で出せます。粗利140円のとき、固定費が1万円なら約72個で赤字を脱します。
固定費が2万円に膨らめば約143個必要になります。つまり儲かるかどうかは、粗利より先に固定費をいくらに抑えられるかで決まる。私はここを一番シビアに見ています。
仕込み・調理オペレーションと人件費の想定
提供スピードが遅いと行列が離れ、想定した販売数に届きません。仕込みと焼き時間の設計が売上を左右します。
じゃがいもは事前に蒸しておき、注文が入ったら仕上げるだけにすると回転が上がります。一人営業なら人件費はゼロですが、その分売れる数に上限が出る。人を雇うなら、その時給を固定費に足して損益分岐点を引き直す必要があります。
トッピングで利益率を上げる価格アップ戦略

トッピングは原価の上乗せが小さいわりに売価を大きく上げられるため、利益率を伸ばす一番の手段です。
プレーンのじゃがバターを200円としたとき、トッピングで300〜400円にできれば、増えた売価のほとんどが粗利になります。
明太子・チーズ・いくらなどの付加価値
明太子・チーズ・いくらなどは「特別感」で単価を上げやすいトッピングです。素材の魅力を活かしたシンプルなじゃがバターに、少量乗せるだけで印象が変わります。
注意したいのは、いくらのように原価が高い素材は乗せすぎると原価率が跳ね上がる点。私なら、原価の安いチーズやコーンを主力にして、明太子・いくらは高単価の限定メニューに回します。
文化祭と本格営業での原価設定の違い
文化祭は予算上限が先にあり、本格営業は原価率から売価を逆算する——ここが根本的に違います。
文化祭ならじゃがいも予算1万円で40kg・約268個といった上限から逆算し、丸ごと1個か輪切り2個かを決めます。一方で継続する屋台営業は、固定費まで含めた損益分岐点を基準に値付けする。同じじゃがバターでも計算の入り口が逆になります。
