コーヒー移動販売の原価を徹底解説|1杯の内訳と利益率がわかる
- ドリップコーヒー1杯の原価は約40〜70円で、300〜400円で売れば原価率はおよそ15〜20%に収まる。
- コーヒーの原価率は業界で30%以下を目安に設計するのが安全ライン。
- 豆代よりカップ・ふた・スリーブなど資材費のほうが高くつく場合が多い。
- キャッシュレス決済手数料や廃棄ロスを入れ忘れると、実質の利益率は下がる。
- コーヒー単品では大きく儲からず、フードや高単価メニューの併売が利益率のカギになる。
コーヒー移動販売の原価とは?1杯あたりの内訳を先に結論

コーヒー移動販売の原価とは、1杯を提供するのにかかる材料と資材の合計金額で、ドリップなら約40〜70円が目安です。
私はクレープのキッチンカーで開業準備を進めていますが、コーヒーの併売を検討して原価を1杯ずつ計算しました。正直、豆代よりカップやふたのほうが効いてくるのが意外でした。
原価率とは何かをやさしく解説
原価率とは、販売価格に対して材料費がどれくらいの割合かを示す数字です。
計算式はシンプルで「原価 ÷ 販売価格 × 100」。たとえば原価60円のコーヒーを300円で売れば、原価率は20%です。
残りの80%がまるまる利益ではありません。ここから光熱費や出店料、人件費が引かれます。原価率はあくまで「材料でどれだけ削れているか」の指標だと考えてください。
コーヒー1杯の原価計算(豆・カップ・ミルク・砂糖・シロップ)
ドリップコーヒー1杯の原価は、豆10〜12gと資材を足すとおおむね40〜70円になります。
私が自分の想定仕入れ価格で組んだ内訳が下の表です。豆の単価やミルクの有無で上下するので、あくまで一例として見てください。
| メニュー | 豆・材料 | 資材(カップ等) | 合計目安 |
|---|---|---|---|
| ドリップ | 豆12g 約30円 | カップ+ふた 約20円 | 約50円 |
| カフェラテ | 豆14g+牛乳120ml 約60円 | カップ+ふた 約22円 | 約82円 |
| エスプレッソ | 豆16g 約40円 | 小カップ 約10円 | 約50円 |
砂糖・シロップ・スリーブは、使う人にだけ渡す運用にすると1杯あたり数円の差になります。全部を標準装備にすると地味に原価が上がるので、私は「必要な人にだけ」派です。
目指すべき原価率の目安と業界標準
コーヒーの原価率は30%以下を目安に設計するのが安全ラインです。
飲食業全体では原価率30%前後が一つの基準とされますが、コーヒーは材料が安いため、価格設定次第で15〜25%に抑えやすい商品です。
コーヒー豆の仕入れ先で原価はどう変わる?価格を比較
コーヒー豆の原価は仕入れ先で大きく変わり、卸業者・焙煎所・自家焙煎の順に手間とコストのバランスが変化します。
私が複数の仕入れ先に問い合わせて感じたのは、「安さだけで選ぶと味と安定供給で困る」ということでした。
卸業者・焙煎所・自家焙煎のコスト差
仕入れ先ごとの特徴を整理すると、価格と手間、味の管理しやすさが変わります。
| 仕入れ先 | 豆単価の傾向 | 手間 | 味の管理 |
|---|---|---|---|
| 卸業者 | 安め〜中 | 少ない | 安定しやすい |
| 焙煎所 | 中〜高 | 少ない | 高品質だが単価高め |
| 自家焙煎 | 生豆は最安 | 多い | 技術次第でブレる |
開業初期は卸業者か焙煎所で安定供給を確保するのが無難だと私は考えています。自家焙煎は魅力的ですが、稼働初期に焙煎の手間まで抱えるのは正直きついです。
自家焙煎と仕入れ豆の原価と手間の比較
自家焙煎は豆の原価を最も下げられる一方で、焙煎機の初期投資と作業時間が新たなコストになります。
生豆は焙煎済みより安く買えますが、焙煎ムラや歩留まりのロスが出ます。焙煎の失敗も廃棄になるので、慣れるまでは実質原価が思ったより下がりません。
「豆代を下げたい」だけの理由で自家焙煎に飛びつくのは、私はおすすめしません。焙煎そのものを売りにしたい人向けの選択です。
仕入れロット・まとめ買いで原価を下げる試算
豆はまとめ買いで単価が下がりますが、使い切れる量かを先に見積もることが前提です。
たとえば1kgより5kgのほうが単価は下がります。ただし週の販売杯数が少ないうちに大量発注すると、鮮度が落ちて味が損なわれます。
見落としがちな変動費まで含めた本当の原価
本当の原価は豆代だけでなく、資材・光熱費・決済手数料・廃棄ロスを足したものです。
私が事業計画を組み直して一番驚いたのは、「豆以外」で利益がじわじわ削られる点でした。
カップ・蓋・スリーブなど資材コストと削減方法
資材費はカップ・ふた・スリーブ・マドラーを合わせて1杯20〜30円になり、豆代に匹敵します。
削減のコツは、ロゴ入りの特注カップを最初から作らないこと。開業初期は無地カップにシールを貼るだけでも十分見栄えがします。スリーブは熱い飲み物だけに絞ると数円変わります。
水道・電気・ガスなど光熱費と消耗品
光熱費や洗剤・ペーパーフィルターなどの消耗品は、1杯あたりでは小さくても月単位でまとまった変動費になります。
コーヒーマシンは消費電力が大きく、キッチンカーの電源容量を超えると使えません。電圧と消費電力は購入前に必ず確認してください。ここを見落とすと機材ごと買い直しになります。
キャッシュレス決済手数料などのコスト
キャッシュレス決済の手数料は売上のおよそ3%前後かかり、原価計算から抜けやすいコストです。
300円のコーヒーなら1杯あたり約9〜10円が手数料で消えます。原価率が低いコーヒーだからこそ、この数%が利益率に効いてきます。私は決済手数料も「実質原価」に入れて価格を決めています。
フードロス・廃棄ロスによる実質原価の上昇と対策
作り置きや売れ残りの廃棄は、実質原価を押し上げる最大の隠れコストです。
ドリップの作り置きは時間が経つと味が落ち、廃棄になります。牛乳やシロップは開封後の使用期限もあります。天気の悪い日に仕込みすぎると、そのまま損失です。
メニュー別の原価差と適正な価格設定の考え方

メニューごとに原価は違い、原価から逆算して販売価格を決めるのが赤字を避ける基本です。
牛乳を使うラテ系は原価が上がるぶん、価格も上げないと利益率が下がります。ここを一律価格にすると、ラテを売るほど損する構造になりがちです。
ドリップ・エスプレッソ・カフェラテの原価差
牛乳を使うカフェラテは、ドリップやエスプレッソより1杯あたり20〜30円ほど原価が高くなります。
前掲の内訳表のとおり、ドリップ約50円に対しカフェラテは約82円。この差を価格に反映しないと、人気メニューほど利益を圧迫します。
原価から適正販売価格を逆算する方法
適正販売価格は「原価 ÷ 目標原価率」で逆算でき、原価率20%を狙うなら原価の5倍が目安です。
原価60円で原価率20%を狙うなら、60 ÷ 0.2 = 300円。原価率25%許容なら240円。この計算をメニューごとにやると、値付けの根拠がはっきりします。
私は決済手数料と廃棄ロスを見込んで、逆算した価格に少し上乗せして最終価格を決めています。理論値ピッタリだと現場で利益が残りません。
高付加価値メニューの原価設計で差別化する
高付加価値メニューは原価を数十円足すだけで単価を大きく上げられ、利益率を押し上げます。
たとえば季節限定のフレーバーラテや、こだわり豆のスペシャルティ。原価は上がっても、300円が500円になれば利益額は増えます。競合が多いコーヒーだからこそ、価格勝負ではなく付加価値で差をつけたいところです。
移動販売コーヒーの利益率と収益シミュレーション
移動販売コーヒーの利益率は原価と固定費の管理次第で、週5日稼働なら年間売上約836万円・年収約402万円がひとつのモデルです。
以下はキッチンカー開業のモデルケースとしてよく示される数字です。自分の出店条件に置き換えて使ってください。
| 項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 年間売上金額 | 約836万円 |
| 年収 | 約402万円 |
| 月収 | 約33万円 |
週5日稼働で年間売上約836万円のモデル
週5日の安定稼働を前提にすると、年間売上は約836万円が一つの到達ラインです。
これは毎日安定して客が来る前提の数字です。出店場所が取れない日、悪天候の日を差し引くと、実際はここから目減りします。売上をこのモデルに近づける最大の条件は、良い出店場所の確保だと私は考えています。
年収約402万円(月収約33万円)の内訳
売上から材料費や諸経費を引いた手残りが、年収約402万円・月収約33万円のモデルです。
ここまで来るには原価率を抑え、廃棄と手数料を管理し、単価を上げる工夫が全部必要です。コーヒー単品だけでこの数字に届くのは、正直かなり難しいと感じます。
季節・気温による売上変動と在庫・原価管理
コーヒーの売上は季節と気温で大きく揺れ、夏はアイス、冬はホットへ需要が動きます。
暑い日はアイスラテや氷の消費が増え、寒い日はホットが伸びます。この変動を読まずに仕込むと、牛乳や豆の廃棄につながります。天気予報を見て仕込み量を決めるのは、地味だけど原価管理の要です。
原価を抑えて利益率を上げる仕入れテクニック
利益率を上げる近道は、原価を削るだけでなく客単価を上げること。この両輪で動くのが正解です。
移動販売のコーヒーが儲かるかどうかは、豆の安さより「1回の接客でいくら売れるか」で決まると私は見ています。
コーヒー以外のメニューで単価を上げる
コーヒーにフードや焼き菓子を組み合わせると、1組あたりの単価が上がり利益率が改善します。
コーヒー単品300円に、200円の焼き菓子が付けば客単価は500円。原価率の低いドリンクと、利益の取れるフードを組み合わせるのが定番の稼ぎ方です。私がクレープと相性を考えているのも、まさにこれです。
客層に合わせたメニュー設計
出店場所の客層に合わせてメニューを変えると、売れ残りが減り実質原価が下がります。
オフィス街の朝はブラックとラテの回転が速く、公園やイベントはアイスや甘い系が伸びます。客層に合わないメニューを並べても廃棄になるだけ。出店先ごとに主力を絞るのが賢いやり方です。
実際の開業者の原価・収支のリアルな事例
開業準備の当事者として、私は資金内訳400万円を実際に組んで原価と収支を検証しています。
車両・調理設備・営業許可・保険・初期の仕入れまで含めると、開業には数百万円単位の資金が必要でした。原価が低いコーヒーでも、この初期投資を回収するには稼働日数と客単価の設計が欠かせません。
正直に言うと、収益シミュレーションの数字は「うまくいった場合」の姿です。私は最悪ケースの売上でも赤字にならない価格と原価率を、先に決めてから開業に進める予定です。
コーヒー移動販売は本当に儲かる?よくある質問

